July 2011

タバコと American Graffiti

ちゃぶ台ファクトリーで根を詰めていると、ほっと一息というときに「タバコっ」と思うことがある。 

三度目の禁煙から10年強。いまだにそう思う。つかれたときのタバコはおいしい。10年たってもその味は忘れていないのだ。

でも吸わない。吸ったらまた、間違いなく復活する。適度にってことが出来ないから、必ずヘビースモーカーになる。


タバコは“かっこいい”と思っていた時期があった。タバコを吸うきっかけは、きっとみんなそうなんじゃないかと思う。

最初に吸った煙草は「hi-lite」。はじめて吸ったのは喫茶店。田舎の街のメインストリート。半地下で、ちょっとアングラ的な雰囲気。少し見上げて窓から見る街の風景をおぼろげに覚えている。

いまでこそ喫茶店なんて老若男女、誰でもためらわずに入る場所だけど、当時は大人の世界だった。

ちょっとませていた同級生につれられてはじめて入った“大人の”世界で、はじめて吸ったタバコの味。味を覚えている訳ではないが、きっと人生の中でも稀な刺激的な経験だったのだ。店のシートの感触や並べてあった布製のクッションの感じ、雑誌が乱雑にならべてあった白い木製キャビネットの配置。そして同級生と自分の座った位置など、おぼろげだが、本当に覚えている。

かっこよくいうと“青春のワンシーン”。

シンガーソングライターでもなく、ペーパーバックの作家でなくても、平々凡々な思い出を“青春のワンシーン”などと表現すると、それなりに聞こえる。


ある日、先輩が「hi-lite のパッケージの青い色はな、カリフォルニアの空の色と同じなんだ。」と言った。「へぇ、そうなんだ」と素直に信じた。アルバート・ハモンドの「カリフォルニアの青い空」という曲が浮かんで、hi-liteを吸っている自分がかっこよく思えた。単純な奴。

先輩が何を根拠にそう言ったか、それなりの理由があった気がするが、忘れた。


後日知ったのだが、hi-liteのパッケージのデザイナーは、あの和田誠さんだということ。

「ゴールデン洋画劇場」のオープニングタイトルや、星新一の小説の挿絵で有名なイラストレータ。

和田さんの著作「お楽しみはこれからだ」は映画好きの自分にとって、一時はバイブルのようなものだった。

単純な線画で表現する映画のワンシーンが大好きで、一生懸命真似て描いたが、もちろんものにならなかった。


タバコをテーマに1/@のエッセイをと書き始めたが、どんどんと話がそれて行く。


話を戻す。「タバコはかっこいい」。

『アメリカン・グラフィティ』という映画の中で、ジョン・ミルナーが白いTシャツの裾をロールアップし、そこに「CAMEL」を挟んでいた。これがかっこいい。

もちろん、即、まねをした。

白のTシャツにBOBSONのジーンズ。リーバイスの501と言いたいところだけれど、当時新参の国産メーカーのBOBSON。501なんてなかなか手に入らなかったと思う。

Tシャツの袖をロールアップして、CAMELでなくhi-liteを挟み、意気揚々と繁華街へ。

ジーンズショップの店員に、「上着くらい買ってもらいな」とからかわれた。

「このかっこよさがわかんないの?」なんて、そのときはほくそ笑んだが、あとで考えると、着ていたTシャツも、Hanes みたいなアメリカン・テイストのものでなく、どちらかというと下着にちかいものだった。今考えると顔から火が出る。

“青春のワンシーン”。


映画の中で、ポール・ル・マット演じるジョン・ミルナーが乗っていた黄色のクーペがかっこいい。

1932 Ford Deuce Coupe。

ジョンにレースを挑むボブ・ァルファを演じたのが、無名時代のハリソン・フォード、なんてことはいまさら書くまでもない。
ボブが乗っていた黒い 1955 CHEVY もかっこいい。


ちなみに、映画「インディ・ジョーンズ」の4作目「クリスタル・スカルの王国」の冒頭シーンは、ジョンとボブのレース・シーンの焼き直し。


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Franklin Mint  1/24 1932 Ford Deuce Coupe

黄色のフォード。友人がどこからかプラモデルを見つけてきて、きれいに作って部屋に飾っていた。欲しくてたまらなかった。いろいろ探したが、すでに廃盤になっていて手に入れることが出来なかった。

インターネットが普及して、通販が当たり前になって、手に入れた。

Matchboxの1/64、REVELLの1/25、ERTLの1/18、積年の思いが大人買いに発展。

そして、モデル化のなかで評価が一番高いのが、Franklin Mintの1/24。

ほんとうによく出来ている。

「MY GARAGE」の中心に納まっている。

大脱走のバイク1/6を作る6

インターネットはすごい。
今さら “なに” って話だが。
このプロジェクトを始めて、あらためて痛感している。

改造を始める前に、大脱走のバイクの姿を知りたい。
とりあえず 
Googleで『大脱走 バイク』と入力し、検索項目の『画像』をクリック。
今さら大げさだが、「わぉっ」と驚くほどいろいろな写真が出てきた。
映画のワンシーンやポスターの画像、宣伝用に撮影された写真、右からの写真、左からの写真。
タンクの形や特徴的なフロント・フェンダーの様子、タンクのおおよその姿などなど、改造のイメージを十分に掴むことができる。
インターネットがこれほど普及していない時代なら、これだけの資料画像を収集するのにどれほどの労力が必要だっただろうか。 

最初に手をつけたのがガソリン・タンク。
モニターにプレビューした画像を見ながら、余分なパーツを取り除き、パテ埋め、研磨などの作業を進めて行くと、細かい部分が気になり出した。
ダウンロードした画像では、その部分が詳細に確認できない。
そこはおおざっぱでいいではないか、雰囲気で適当に…とはならない。そうそうに  “こだわり” 心が頭をもたげる。

大脱走のバイクは、トライアンフTR6というオフロード仕様のモデルを改造したもの。
Googleで『トライアンフTR6 大脱走』と入力してみる。
新しい画像がいっぱいでてきた。もとになった
トライアンフTR6の画像もいろいろ。
タンクの気になってた部分も、「なるほど。ここはこうなっているのか」と納得。ならば、ここはプラ棒を削り、パテで盛りつければ表現できるぞ。ちょっと凝ってパーツを作ってみるかと意気込む。

凝って、くつづって作ったパーツがうまく出来ると、ますます改造が楽しくなる。もっともっとこだわりたくなる。
ちなみに、あたりまえのように使っていた「くつづる」と言う言葉、東濃弁であった。岐阜地方(美濃全域)の方言であるとのこと。「てこずる」とか「根をつめて熱中すること」という意味がある。自分は後者の意味で使っている。

「ボンネビル エンジン」とか「トライアンフ キャブレター」とか「ビンテージバイク バッテリー」とか、思いつくいろんなキーワードで検索し、いろんな画像が見つかるにつれ、詳細な資料ファイルが出来上がり、分からない部分が解明されて、凝らざるを得ない部分がどんどんと増えて行く。

エンジンは大改造せねば。
形状もかなり違う。エポキシパテが大活躍。

engine

Gパーツと呼ばれる、ガンダムのプラモデル製作用のオプションパーツがあることを知った。
ガンプラの各スケールに合わせたボルトや六画ナットなどが、いろいろなメーカーから発売されている。
ガンプラをよりリアルに見せるためのもののようで、ディテールアップ・パーツともいう。
waveというメーカーのO-BOLTというパーツを入手して、ボルトを表現するために使ってみたら結構よい。
こんな製品があること、それをワンクリックで、遠くの模型屋に出かけることなく、簡単に入手出来てしまう時代なのだ、今は。

インターネットはすごい。今さらながら感服している。



大脱走のバイク1/6を作る5

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これが “ちゃぶ台ファクトリー”。

単身赴任で借りた小さなアパートの一室。
テレビの前に置いた丸型の“ちゃぶ台”。
実は、一人用の丸型コタツ。冬以外は布団をはずし、ちゃぶ台として使っている。
丁寧に言うと「櫓炬燵」。火を入れる炉(火炉)の上に櫓(やぐら)を組んで、周囲を布団でおおった暖房設備。なんと室町時代に成立したらしい。
浮世絵にも描かれている。
現在のような赤外線を熱源とした電気炬燵は、1956年に登場したのだそう。

1/6フィギュアの元祖GIジョーがお手本にした、バービー人形がアメリカで発売されたのが、1959年の3月。電気炬燵の登場の3年後。ほぼ同時期に生まれ、主たる規格は変わらないまま今も愛されている。
少々、いや、かなり無茶な関連付けは十分承知の上で、“わが「1/6計画」プロジェクトが、炬燵を利用して進行するのはまさに適材適所”
などと考えてニヤニヤしている。

大脱走のバイク1/6を作る4

1/6のトライアンフ・ボンネビルが届いて、ひとしきり眺め、とりあえずガソリンタンクから手をつけることにした。
入手したニューレイ社の1/6ボンネビルは完成版。以前に半完成キットといって、ある程度は自分で組み立てる製品があったようで、そのキットなら改造もしやすかったと思う。

まず、どうやって組み立てられているかを探りながら、パーツを外していく。
ビスを抜けば外れるパーツや、ツメを引っ掛けて嵌め込まれていて、簡単には外れないパーツもある。
タンクを外すのは苦労した。結局、タンクを支えているメインフレームを切り離して外した。
外したあと、なんだ、ここをこうすれば簡単に外れたではないか。
この先、そんなことの繰り返しだろうとため息をつく。だけど、それがカスタムの楽しさだとワクワクした。

タンクにつけられたエンブレムを外し、その跡のくぼみを埋めることから改造が始まった。

埋めるならエポキシパテ。本当に久しく、それこそ数十年、プラモデル制作なんていうことから遠ざかっていて、エポキシパテの存在は知っていたが、使ったことはない。
タミヤやWAVE、クレオスといろいろなブランドから発売されていて、高密度タイプとか軽量タイプとか性質もいろいろ違うらしい。 
何種類か購入して、とりあえず使ってみることにした。

まずはやっぱりタミヤか。
赤と青と白の星マーク。われら世代にとってタミヤはカリスマ的存在。“タミヤなら間違いなかろう” という根拠のない理由で、タミヤ・エポキシ造形パテの「速硬化タイプ」というやつを手に取った。
白と黄色の2種類の素材をクリーム色になるまで練り合わせる。
乾燥には6時間を要すると説明書に書いてある。せっかちの自分には、とても速硬化だとは思えないが、焦りは禁物なんて言葉も頭をよぎって、とりあえず一晩置くことにした。

ちゃんとそれなりの強度で固まるもんだなぁと感心して、やすりで削り形を整える。

この作業から始めて正解だった。
練り合わせ作業のおかげで、好きだった粘土細工の楽しさが甦った。
パテの“硬化待ち”のおかげで、時間をかけてじっくり取り組む覚悟が出来たし、ペース配分が出来た。
ちゃぶ台に向かい、座椅子にもたれて、テレビを見ながら、仕事のことなど忘れて、ヤスリでごしごし。たまらない癒しのひととき。

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たまたま単身赴任のきままな時間。
昼間は仕事で夜は“ちゃぶ台ファクトリー”。
確実にのめり込んだ。

何故1/6なんだろう?

何故6分の1なんだろう?

G.I.Joeが規格化したアクションフィギュアのサイズは、標準的な成人男性の身長である170〜180cm を約30cmに縮尺したんだとか。
30cmは180cmの6分の1。30cmは約12インチ。
6分の1であることが先ではなく、12インチ、約30センチの身長に縮尺することをまず決めたのか。

G.I.Joe は、1959年に発売された着せ替え人形バービーの仕様をヒントにしたそうで、男の子向けの着せ替え人形として1964年に発売された。
バービーの身長が約30cm。だからG.I.Joeの身長も約30cm。
基準とした標準的な成人男性の身長も、170cm〜180cmと10cmも幅があるし、お手本にしたバービーの身長から考えると、標準的な成人女性の身長も170cm〜180cmということになる。
確かにアメリカの女性は背が高いから、男女の区別なく成人の平均身長が基準だと考えて納得しよう。
要するに、厳密なスケール(縮尺)を考えた訳でなく、“これくらいがいい大きさじゃない”的な感じできまったのかもしれない。

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マテル社の創業者ルース・ハンドラーというひとが、娘が遊んでいた紙人形を立体化できたらと考えていたとき、たまたま旅行にいったスイスの店で リリ というドイツ製の人形を見つけた。その人形がリアルな女性のスタイルをしていたことから、紙の着せ替え人形を立体化する答えがひらめいた。
リリをアメリカに持ち帰ると、それを米国風にアレンジした人形を作った。
その人形を、娘バーバラの愛称から「バービー」と名付けたのだそう。

ちなみにリリは、新聞に掲載された漫画のキャラクターを人形にしたもので、絶世の美女で魅力的なプロポーション。子供のためというより、どちらかというと成人男性が好む “
セクシードール” だったらしい。

そのリリの身長が約30cm。

G.I.Joeが元祖といわれるアクション・フィギュアの身長は、ドイツの “セクシードール” が基準規格となった、ということになる。

自分のまわりには “G.I.Joeの歴史” などというような資料はないし、思いつくキーワードで検索したネットで知り得た情報でしかない。バービーの生い立ちだって、いろいろなサイトの記述をつぎはぎしたもの。
だから、何故 1/6 なのか、ちゃんとした理由があるのかも知れない。きっとあるはず。
引き続き、ほそぼそと調べて行こう。

いまの段階で考えられることは、アクション・フィギュアのサイズは、1/6というスケールから決まったのではなく、約30cmという大きさが先に決まった、ということ。

大脱走のバイク1/6を作る3

「大脱走1/6レプリカ」プロジェクト、「ちゃぶ台ファクトリー」を始動させた理由がもうひとつある。

ほそぼそと続けているseezoo's「1/6計画」。
「1/6計画」なんて大袈裟だが、簡単に言えば、1/6フィギュアのカスタム化。
今でこそ、“ホビー”などとかっこよく表現されて市民権を得ているが、昔買ってもらったGIジョーの楽
しさが忘れられない、“こどな”の遊びか。
“こどな”とは、子供の心を忘れない大人。いつまでも子供の心をもった大人のことらしい。
悪く言えば、「いつまでも大人になれないひと」と言うことになる。確かにそうかも。

「1/6計画」。
発起してからかなり経つが、ほんとうにほそぼそで、作品といえる作品はない。
時々思い出したように、箱から出してはポージングをしたりして楽しんでいる。
カスタムというより、GIジョーごっこの延長線上みたいなもの。
でも、“ごっこ”とはいえ、衣装や装備がクオリティ高いほうがいい。
映画が好きだから、キャストのレプリカなんかにこだわりたい。

そんな観点で、Webサイトをあちらこちらしている時に、ある“アーティスト”を知った。
あえてアーティストと呼ぶ。それほど、彼らのカスタム作品はクオリティが高い。
彼らと呼ぶのはペアで作品を作っているから。

彼らの作品の中に、大脱走のマックイーンがあった。
これがまたすごい。
ディテールにこだわったA-2なんて垂涎だ。
素材にこだわったトラウザースも脱帽もの。

あこがれがつのり、たまらなくなり、あるとき、ダメもと覚悟で彼らの工房にメールをした。
「欲しいんです。作ってもらえませんか?」
なんと、
「いいですよ。」
まさかの快諾に、おおきく夢がひろがった。
「急いでません。時間のあるときにコツコツとでいいです。」

気長に待つつもりが、待った記憶がないほど早く「できましたよ。」と言うメールをもらった。
その数日後に届いた荷物を開梱して嬉しくなった。
やっぱり自分の目は確かだった。

「まだまだ納得していないんです」と彼らはいうけど、それは“こだわり”を持つクリエイターだからだと思う。
届いたA-2、スウェット、トラウザースは、まさに1/6スケール。
質感も、フォルムも、1/6スケールであることを追求した“こだわり”の“作品”。

「たかだか着せ替え人形の衣装じゃないか」と鼻で笑うひとがいる。
いろいろな価値観があるから、それも否定しない。
でも、同じ価値観を持つものにとって、その価値観にのめりこみ、徹底的にこだわれたらかっこいい。
一応クリエイターのはしくれとして、“こだわりをなくしたらただの人”だと思っている。

だから、彼らをクリエイターと呼ぶ。アーティストと呼ぶ。

彼らの作品を“主役”に着せた。
トライアドトイズというメーカーの「拳銃無宿」のマックイーン。
ちょっと深刻すぎる表情が気になるが、それなりの肖像。

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スェットの “着心地” がいい。トラウザースの “しわ” がリアル。特にA-2のしっくり感がたまらない。
15年まえ、トイズマッコイのマックイーンと対面したときと同じ感情が、度を増してよみがえった。
バイクに乗せたい。
製品はない。作るしかない。
いてもたってもいられなくなった。

彼らの作品に刺激された。
これが、「大脱走1/6レプリカ」プロジェクト始動のもうひとつの理由。

大脱走のバイク1/6を作る2

「大脱走1/6レプリカ」への想いは足掛け約15年。
げっ、そんなになるのか。
 
1995年だったか1996年だったか、トイズマッコイというブランド名で、「大脱走」のGIジョーが発売された。
知る人ぞ知る岡本博の渾身の企画。
岡本さんは雑誌「ポパイ」の草創期の表紙などを手がけ、イラストレーターとして有名になったひと。
 
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トイズマッコイとは、A-2とかB-3とかA-1とか、フライトジャケットの忠実なレプリカを製造販売するために岡本さんが立ち上げたリアルマッコイズの、トイ(玩具)企画販売部門だと勝手に認識している。
ほんとうは別会社だったのかも知れない。リアルとトイズの経営的な関係はよく知らない。

岡本さんはマックイーンのファンとしても第一人者。
彼の描くマックイーンのイラストは凄い。イラストの技術ももちろんだけど、マックイーンへの想いがなければあのイラストは描けないと思う。
だから、「大脱走」の劇中でマックイーンが着ていたA-2やスウェット、トラウザースのレプリカをリアルマッコイズで製品化した。

ただ、リアルマッコイズは2001年に倒産して、別の会社が引き継ぎ、現在もA-2とかのレプリカなど、クオリティの高いミリタリー系のウエアを中心にを製造販売している、。
「NYLON」という会社が版権を取得し引き継いだそうで、岡本さんの旧リアルマッコイズと区別するために通称「ナイロンマッコイ」というらしい。フライトジャケット・ファンやマッコイズ・マニアの中での話。
「ナイロンマッコイ」とはまったく別に、トイズマッコイは岡本さんプロデュースのまま、今もあって、やっぱりA-2とかのレプリカを作っている。
岡本ファンの贔屓目かもしれないが、「ナイロンマッコイ」のものよりもいいなぁと思う。
「大脱走」レプリカもちゃんと作っている。

その岡本さんが企画したトイズマッコイ・ブランドの第1号製品(だと思う)が、「大脱走」のGIジョー。
マックイーンの版権をクリアした、かなりリアルな肖像。
発売されることを雑誌か何かで知り、いてもたってもいられず、郵送で申し込んだ。
ネット通販なんてまだまだの時代。

届いたときの感激はひとしお。
岡本さんのイラスト入りパッケージもすばらしい。
パッケージのまま、ガラスケースにずっと飾っていた。

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そのとき、同梱されてきたアンケート用紙にこんなような記述があった。
「次に商品化するとどんなものを希望しますか? 例:大脱走でマックイーンが乗っていたバイク…」
もちろん、「バイク!」と記入し即行で返送した。

その後、「拳銃無宿」のフィギュアや馬、「ハンター」のフィギュアなど、いくつか製品化されたけど、待っても待っても「バイク」は製品化されなかった。

ちなみに、岡本さんは「大脱走バイク」の1/1、つまり、乗って走ることの出来る実物のトライアンフの大脱走バージョン・レプリカを所有している。
映画撮影用の改造を手がけたバド・エイキンズが、そのレプリカ制作にも関わったのだそうだ。

なぜ1/6を商品化してくれなかったんだろう。
商品化されてても高額で手がでなかったかも。

「大脱走1/6レプリカ」への想いは15年ほどの前のこのときに始まった。
1/1は絶対無理。でも、1/6ならなんとかなるか。

大脱走のバイク1/6を作る1


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1/6のバイクの模型を作っている。
トライアンフTR6の特別仕様。
大好きな映画、スティーブ・マックイーン主演の「大脱走」のアイコン的存在。
ドイツ軍に追われ、国境の鉄条網を痛快にジャンプで越える、あの有名なバイク。
映画撮影のとき、実際にジャンプしたのはマックイーンでなく、バド・エイキンズという人。
マックイーンは彼の影響でトライアンフに惚れたとか。

撮影のときも、本来ならドイツ製の軍用バイクで飛ぶべきところ、重すぎるとか、
着地の衝撃に耐えられないとかで、マックイーン所有のトライアンフTR6をエイキンズが改良し、ジャンプに耐えられる“ドイツ軍用バイクもどき”を作っちゃったのだそうだ。

その“ドイツ軍用バイクもどき”の模型がほしい。
でも、製品化はされていない。
作るしかない。

ある日(今年の4月頃だったか)、偶然見ていたあるブログで、模型を作るベースとなりえるトライアンフのボンネビルというバイクの1/6のモデルが、ニューレイというメーカーから製品化され販売されていることを知った。
早速ネットで探しても、ちょっと前の製品らしく、新品はみつからない。
「ホビダス」で見つけたが、プレミア価格らしく、定価の3倍くらいの値段で、1万円をゆうに超えている。高すぎ!

が、さすが「セカイモン」。あった、あった!
円高のこともあって、送料や輸入税などを加えても、定価よりちょっと安いかも。プレミア価格の3分の1強ではないか。
で、即決。
もちろんクリック。

アメリカの東海岸から、それほど待たずに届いて、そこから「ちゃぶ台ファクトリー」が始業。
名づけて「大脱走1/6レプリカ」の制作開始。
seezoo's「1/6計画」の中の最大プロジェクトとなった。