「大脱走1/6レプリカ」への想いは足掛け約15年。
げっ、そんなになるのか。
 
1995年だったか1996年だったか、トイズマッコイというブランド名で、「大脱走」のGIジョーが発売された。
知る人ぞ知る岡本博の渾身の企画。
岡本さんは雑誌「ポパイ」の草創期の表紙などを手がけ、イラストレーターとして有名になったひと。
 
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トイズマッコイとは、A-2とかB-3とかA-1とか、フライトジャケットの忠実なレプリカを製造販売するために岡本さんが立ち上げたリアルマッコイズの、トイ(玩具)企画販売部門だと勝手に認識している。
ほんとうは別会社だったのかも知れない。リアルとトイズの経営的な関係はよく知らない。

岡本さんはマックイーンのファンとしても第一人者。
彼の描くマックイーンのイラストは凄い。イラストの技術ももちろんだけど、マックイーンへの想いがなければあのイラストは描けないと思う。
だから、「大脱走」の劇中でマックイーンが着ていたA-2やスウェット、トラウザースのレプリカをリアルマッコイズで製品化した。

ただ、リアルマッコイズは2001年に倒産して、別の会社が引き継ぎ、現在もA-2とかのレプリカなど、クオリティの高いミリタリー系のウエアを中心にを製造販売している、。
「NYLON」という会社が版権を取得し引き継いだそうで、岡本さんの旧リアルマッコイズと区別するために通称「ナイロンマッコイ」というらしい。フライトジャケット・ファンやマッコイズ・マニアの中での話。
「ナイロンマッコイ」とはまったく別に、トイズマッコイは岡本さんプロデュースのまま、今もあって、やっぱりA-2とかのレプリカを作っている。
岡本ファンの贔屓目かもしれないが、「ナイロンマッコイ」のものよりもいいなぁと思う。
「大脱走」レプリカもちゃんと作っている。

その岡本さんが企画したトイズマッコイ・ブランドの第1号製品(だと思う)が、「大脱走」のGIジョー。
マックイーンの版権をクリアした、かなりリアルな肖像。
発売されることを雑誌か何かで知り、いてもたってもいられず、郵送で申し込んだ。
ネット通販なんてまだまだの時代。

届いたときの感激はひとしお。
岡本さんのイラスト入りパッケージもすばらしい。
パッケージのまま、ガラスケースにずっと飾っていた。

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そのとき、同梱されてきたアンケート用紙にこんなような記述があった。
「次に商品化するとどんなものを希望しますか? 例:大脱走でマックイーンが乗っていたバイク…」
もちろん、「バイク!」と記入し即行で返送した。

その後、「拳銃無宿」のフィギュアや馬、「ハンター」のフィギュアなど、いくつか製品化されたけど、待っても待っても「バイク」は製品化されなかった。

ちなみに、岡本さんは「大脱走バイク」の1/1、つまり、乗って走ることの出来る実物のトライアンフの大脱走バージョン・レプリカを所有している。
映画撮影用の改造を手がけたバド・エイキンズが、そのレプリカ制作にも関わったのだそうだ。

なぜ1/6を商品化してくれなかったんだろう。
商品化されてても高額で手がでなかったかも。

「大脱走1/6レプリカ」への想いは15年ほどの前のこのときに始まった。
1/1は絶対無理。でも、1/6ならなんとかなるか。