1/6のトライアンフ・ボンネビルが届いて、ひとしきり眺め、とりあえずガソリンタンクから手をつけることにした。
入手したニューレイ社の1/6ボンネビルは完成版。以前に半完成キットといって、ある程度は自分で組み立てる製品があったようで、そのキットなら改造もしやすかったと思う。

まず、どうやって組み立てられているかを探りながら、パーツを外していく。
ビスを抜けば外れるパーツや、ツメを引っ掛けて嵌め込まれていて、簡単には外れないパーツもある。
タンクを外すのは苦労した。結局、タンクを支えているメインフレームを切り離して外した。
外したあと、なんだ、ここをこうすれば簡単に外れたではないか。
この先、そんなことの繰り返しだろうとため息をつく。だけど、それがカスタムの楽しさだとワクワクした。

タンクにつけられたエンブレムを外し、その跡のくぼみを埋めることから改造が始まった。

埋めるならエポキシパテ。本当に久しく、それこそ数十年、プラモデル制作なんていうことから遠ざかっていて、エポキシパテの存在は知っていたが、使ったことはない。
タミヤやWAVE、クレオスといろいろなブランドから発売されていて、高密度タイプとか軽量タイプとか性質もいろいろ違うらしい。 
何種類か購入して、とりあえず使ってみることにした。

まずはやっぱりタミヤか。
赤と青と白の星マーク。われら世代にとってタミヤはカリスマ的存在。“タミヤなら間違いなかろう” という根拠のない理由で、タミヤ・エポキシ造形パテの「速硬化タイプ」というやつを手に取った。
白と黄色の2種類の素材をクリーム色になるまで練り合わせる。
乾燥には6時間を要すると説明書に書いてある。せっかちの自分には、とても速硬化だとは思えないが、焦りは禁物なんて言葉も頭をよぎって、とりあえず一晩置くことにした。

ちゃんとそれなりの強度で固まるもんだなぁと感心して、やすりで削り形を整える。

この作業から始めて正解だった。
練り合わせ作業のおかげで、好きだった粘土細工の楽しさが甦った。
パテの“硬化待ち”のおかげで、時間をかけてじっくり取り組む覚悟が出来たし、ペース配分が出来た。
ちゃぶ台に向かい、座椅子にもたれて、テレビを見ながら、仕事のことなど忘れて、ヤスリでごしごし。たまらない癒しのひととき。

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たまたま単身赴任のきままな時間。
昼間は仕事で夜は“ちゃぶ台ファクトリー”。
確実にのめり込んだ。