予定していたすべての加工が完了し、必要なすべてのパーツが出来上がった。
塗装作業に入る。

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どんな色で塗装するか?

第二次世界大戦のドイツ軍の軍用車両の色は?
そう考えて、最初に浮かんだのが「ジャーマングレイ」。
たまに行く模型屋のおやじに、「大脱走のバイクの色は?」と相談したら、「そりゃあ、ジャーマングレイ」と言い切った。
タミヤの1/35 プラモデル「B.M.W.R75サイドカー」の組み立て説明書には、「ヨーロッパ、主に東部戦線で活躍したオートバイはサイドカーを含めてフィールドグレイ又はジャーマングレイで塗装され…」と解説されている。

「German Grey」は青味掛かった濃いグレイ色。名前を直訳すると「ドイツの灰色」で、まさにドイツの色。正しくは「ドウンケルグラウ」というのだそうで、パンツァーグラウともいうらしい。
モデラーには超馴染みの色。
プラモデル用の塗料を使用するようになって、まず最初に覚えた“2色”のうちの1色。
もう1色は「オリーブドラブ」。
第二次世界大戦からベトナム戦争時期まで、アメリカ軍の戦闘服および車両の標準塗装色として使用されていた色。

しかし、ネットや雑誌などに掲載された「大脱走」の写真を見ると、どうしてもジャーマングレイには見えない。
DVDを再生し、画面を静止させ、穴が開くほど見詰めても、やっぱり違う。
ヘルメットや野戦服の色としても使われた「フィールドグレイ」は明るすぎるし、大戦中期からドイツ軍の基本色とされた「ダークイエロー」は、間違いなく違う。

写真やDVDでは、グリーン系の深い色と認識できる。
とすると「ダークグリーン」が一番近いかも。
ドイツ空軍機の迷彩や、戦争初期の装備類の標準色として使用された色。
前述の組み立て説明書によると、迷彩の一色としてバイクの塗装には使われたらしい。 
同じく航空機に使われた「ディープグリーン」もあるが、これはちょっと明るすぎる感じ。 
あとは、やっぱり航空機に使われた「ブラックグリーン」なんて色もある。

どの色で塗装しようか…。 

んっ、待てよ。
もともとこの「大脱走」のバイクは、映画撮影用にイギリスのバイクをドイツ風に改造した架空のもの。
よくみれば、こんな形のドイツ軍用バイクは無い。
第二次世界大戦のドイツ軍のバイクの色は、なんてことに“こだわる”必要がない。
“こだわる”とすれば、“映画のバイクの色”。

写真やDVDから受ける“印象”から、グリー系の深く暗い色だ。
「タミヤカラーガイド」(モデルアート社 平成23年1月10発行)に掲載された色見本を見ながらつらつら検討した結果、現段階では「ダークグリーン」で塗装することに決めた。

塗装を始めて、気に入らなければ修正すればよい。そんな大雑把な感じで“こだわり”を整理しないと、先に進まない。

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