もう少しでクリスマス。
もうクリスマス。ついこの前、クリスマスパーティと称して、ちょっと贅沢なワインを飲んだばかりなのに。1年が本当に早い。

1年の感じ方は、1歳のときが1分の1の長さ。つまり、年齢分の1の長さ。小学校に上がる時は6分の1、20歳のときは20分の1と、歳を重ねるにつれ、どんどん短く感じるようになるのだそうだ。
確かにそう思う。去年よりも今年の方が早く感じる。最近、本当に1年は短い。

まだ一桁分の1のころ、ケーキはクリスマスに食べる特別な食べ物。
今みたいに「スウィーツ」なんて言葉もなかったし、「食後のデザート」なんて“おしゃれ”な風習だってつい最近の話。
そりゃそうだ、主食は“ご飯”に“味噌汁”。お袋がたまにつくってくれる「ハヤシライス」を、我が家では“洋食”と呼んでいた。そんな食生活に“スウィーツ”なんて似合うはずがない。
だから1年の間で唯一、クリスマスに親父がケーキを買ってくる。櫓炬燵の中心に置かれて、白いクリームに立てたローソクに火が灯される。どう見ても樅の木に似た植木に綿をちりばめたクリスマスツリーは、記憶の中では、今、街に氾濫する“かっこいい”クリスマスツリー以上にロマンチックだ。
今、クリスマスに食べるのは「クリスマスケーキ」。あの頃はそうじゃない。「ケーキはクリスマス」に食べるもの。

日本で最初に「クリスマスケーキ」を最初に作ったのは「不二家」だそうだ。
Wikipediaには、「日本のクリスマスケーキ」として、『日本のクリスマスケーキの歴史は、菓子メーカー不二家創業の1910年(明治43年)まで遡る。現代の日本では、スポンジケーキにホイップクリームやバタークリームを塗り、砂糖細工(メレンゲドール)のサンタクロースやクリスマスツリー、イチゴやチョコレートを飾りつけたものが一般的である。これは、不二家が1922年(大正11年)頃から広めたものである。』とある。
不二家のホームページには、1922年(大正11年)に伊勢佐木町店開店、ショートケーキ発売(1個8銭)とあり、1952年(昭和27年)にクリスマスセール開始、とある。
ちなみに、不二家の創業は1910年(明治43年)で、創業100周年。「ペコちゃん」が誕生したのが1950年(昭和25年)で、生誕60周年なのだとか。
ボーイフレンドの「ポコちゃん」は1951年(昭和26年)生まれ。

お風呂に入っているペコちゃんを、扉の隙間からポコちゃんが覗いていました。ペコちゃんはそれに気づいて叫びました。なんと叫んだでしょうか?
答えは文末。

不二家の「LOOK]チョコレートは、1962年(昭和37年)に発売されたのだそうだ。
49年も前に発売されたんだ。今も店頭に並んでいて、「LOOK]というロゴはいつも眼にしているから、そんな前だったとはと驚いた。
「LOOK」というロゴ。当時から変わっていない。当時のままのデザイン。

look
車はローウィがデザインしたスチュードベーカー社の「チャンピオン1950」1/43 (Yat Ming) 

このロゴをデザインしたのは、「レイモンド・ローウィ」というデザイナー。
Raymond Loewy(1893年:明治26年〜1986年:昭和61年)は、パリ出身のデザイナーで、主にアメリカ合衆国で活動した。
「口紅から機関車まで」というキャッチフレーズで、日用雑貨から工業機械に至るまで、様々な分野で商品のデザインを手がけた20世紀を代表する産業デザイナー。
専門教育を受けていない似非デザイナーの自分が、このローウィという人を知ったのは、恥ずかしながらつい数年前。専門教育を受けた人なら必ず知っているはずの人。
数年前にこの人を知って、大ファンになった。

ローウィのデザインは本当に多岐にわたる。
「シェル石油」のあの貝殻のマークもそうだし、タバコの「ラッキーストライク」のパッケージもそう。日本のタバコ「ピース」も彼のデザインだそうだ。
他にも車のデザインや航空機のカラーリング、ペンシルバニアf鉄道の機関車なんかもデザインしたのだそうで、ほんとうに凄い人。
そうそう、不二家の「Fに花」のロゴデザインもこの人だ。ずっとかわらず使われている。今でも古さを感じない。
「シンプルなデザインは長持ちする」という彼の哲学が実証されている。

fujiyalogo 

あのアメリカ大統領専用機のデザインもこの人。
いまはボーイング747を改造したVC-25だけれど、先代(初代)はボーイング707を改造したVC-137Cが使われた。 

エアフォースワン (Air Force One) とは、飛行機の名前ではなく、アメリカ大統領が搭乗した際にアメリカ空軍機が使用するコールサイン。大統領が乗っていないときはエアフォースワンとは呼ばない。
アメリカ空軍(エアフォース)の航空機に大統領が搭乗すれば、その搭乗機が「エアフォースワン」というコールサインを用いるということだそうだ。
映画「エアーフォースワン」のクライマックスで、ハリソン・フォードが墜落直前のVC-25 から決死の綱渡りで救出に来た輸送機に乗り移ったとき、輸送機のパイロットが「こちらエアーフォースワン」と叫ぶ。飛行機好きには溜まらない感動のシーン。

Air-Force-One
VC-137C stratoliner “FLYING WHITE HOUSE”   1/400 (DRAGON WINGS)

陸軍機搭乗中のコールサインは「アーミーワン」、海軍機搭乗中は「ネイビーワン」、海兵隊機搭乗中に「マリーンワン」、民間機搭乗中に「エグゼクティブワン」。

ちなみに、アメリカ副大統領がアメリカ空軍に搭乗したときのコールサインは「エアーフォースツー」。

*クイズの答え:「見る気ぃ!(ミルキィ)」